労災:817人死傷 前年より51人増--10年上半期、労働局調べ /長野

長野労働局(本川明局長)が発表した今年上半期(1~6月)の労働災害の発生状況によると、死傷者が出た労災は817人で、前年同期比51人増加した。このうち労災による死者は11人で、同4人増加した。上半期は、駒ケ根市で2月に起きた大型クレーンの転倒事故や、6月に大鹿村の井戸で作業員2人が死亡するなど、大きな事故が目立った。同局労働基準部は「(施工業者が)安全対策を現場任せにしている現状がある」と指摘した。

 一方、同局がまとめた6月の有効求人倍率(季節調整値)は0・60倍となり、前月から0・03ポイント上昇し、5カ月連続で前月を上回った。前年同月からは0・20ポイント上昇。雇用情勢の見方は、5月の「持ち直しの動きが見られるが、依然厳しい」と判断を据え置いた。

 6月の県内の求人数が2万6814人(前月比4・2%増)だったのに対し、求職者数(同)は4万4618人(同1・8%減)だった。産業別の新規求人数では、一部を除きほぼ増加。また、県内で10年3月に高校を卒業した就職希望者の6月末現在の就職率は99・3%で、前年比0・4ポイント上昇。求人数と求職者数、就職者数はいずれも前年比で減少した。未就職者は17人。【渡辺諒】

高校総体:ムルギがV、赤松真弘2冠逃す…陸上女子三千

全国高校総体(全国高体連、毎日新聞社など主催)第6日は2日、沖縄県各地で14競技が行われ、陸上の女子千六百メートルリレーは東大阪大敬愛が5連覇した。男子千六百メートルリレーは神奈川・桐蔭学園が初優勝。女子三千メートルはワイナイナ・ムルギ(愛知・豊川)が制し、赤松真弘(岡山・興譲館)が日本人トップの2位だった。

 バドミントンの女子シングルスは高橋沙也加(富山・高岡西)が初優勝した。男子シングルスは和田治久、同ダブルスは竹内宏気、竹内義憲組が勝ち、埼玉栄勢が昨年に続いて団体、個人の全種目を制覇した。

 女子ソフトボールでは、史上最年少の15歳で日本代表入りした岡村奈々を擁する小倉商(福岡)が、3回戦で金光藤蔭(大阪)に敗れた。

 ◇わずか胸の差、0秒09及ばず
 勝負はラスト100メートルの直線。ケニア人留学生2人に負けじと赤松真(興譲館)が猛烈なスパートで競り、観客席からどよめきが起こる。しかし、最後は胸の差。ムルギ(豊川)にわずか0秒09及ばなかった。

 先月30日の千五百メートルで優勝し、三千メートルでの2冠を目指していた。だが、その直後に風邪をひいた。「精神的にも苦しかった」というレース。勝負に徹してムルギ、ワイディラ(仙台育英)の後ろにつけ、残り1周で抜け出した2人に、日本人選手でただ一人ついていった。

 戦略はロングスパートでの逃げ切り。この日はラスト250メートルで勝負をかけるつもりだった。だが、前と外側をふさがれて「出きれなかった」。直線に入ってようやく前が開けたが、抜ける力は残っていなかった。

 「2冠を逃して悔しいけど、留学生と最後まで競れたことは自信になる」と赤松真。あとは「シーズン後半の最大の目標」となる12月の全国高校駅伝だ。昨年はエース区間の1区を任されながら転倒して出遅れ、優勝候補だったチームは3位に終わった。「去年大失敗した都大路で、少しでも借りを返したい」。つちかった自信を胸に、雪辱の冬を目指す。【大島祥平】