国交省 「建築基本法」制定を視野に検討

 国土交通省は、質の高い建築物の整備に向けた基本理念や目標、関係者の責務などを盛り込んだ「建築基本法」の制定を視野に入れた検討に乗り出した。住生活基本法の建築物版という位置付けを想定しており、建築基準法が定める最低限の基準を超えた質の高い建築物の実現を目指す。合わせて、建築確認検査などの実効性確保に向けた方策や、超高層建築物の安全確保方策も検討していく。
 国土交通大臣が1日、社会資本整備審議会に諮問した「安全で質の高い建築物の整備を進めるための建築行政の基本的あり方について」の中で、▽質の高い建築物の整備方策▽建築行政のマネジメント方策▽超高層住宅・建築物、大規模建築物群の安全確保方策―を3項目を検討事項として示した。
 質の高い建築物の整備に向けては、住宅分野での住生活基本法や住宅性能表示制度と同様な枠組みが建築分野でも必要との認識に基づき、基本理念や目標、関係者の責務などを設定するとともに、建築物の質や性能の表示手法などを整備していく方針を掲げた。
 また建築行政の実効性を確保するため、▽部材・資材の製造や建築物の設計・施工、維持管理といったライフサイクルの各段階での安全確保体制の確立▽必要な技術基準・運用指針の迅速な整備と実務者へのきめ細かい情報提供▽建築物や建築技術者などに関するデータベース整備とその有効活用―が必要とした。
 さらに、超高層住宅・建築物や大規模建築物群については、災害時に避難やライフラインの確保が困難となる恐れがあることから、その対応の在り方について検討すべきとした。

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製造過程で発生するCO2排出の全量を「CO2排出枠」でオフセット

 環境負荷低減型社会の創造を目指すブルーテック(堺市北区長曽根町130-42さかい新事業創造センター内)は、CO2(二酸化炭素)の排出負荷をゼロとみなせるセメント系地盤改良用固化材「アトムシックスe」の販売を開始する。 
 同社の販売する、環境負荷低減型である固化材「アトムシックス」は、ライフサイクルアセスメント(LCA分析)結果を踏まえ、高炉スラグや、廃石膏ボード粉などの廃材を活用するなど性能を保ちつつ改良を加えることで、一般のセメント系固化材に対し、製品1トン当たりのCO2排出量が半分程度に低減している。加えて今回、同製品の原材料から製造過程で発生するCO2排出の全量を「CO2排出枠」でオフセットするという。 
 すでに、排出枠販売を手掛けるリサイクルワン(東京都渋谷区)から、アルゼンチンの風力発電とインドのバイオマス発電から作った排出枠を購入済み。今後は大手・中堅、地場ゼネコンなど、環境への意識が高い施工業者を対象に、営業展開を図る構えだ。 
 同社の小林清社長は「カーボンオフセットにとどまらず、環境に配慮した商品開発をすることで競争力を高めることがねらいです」と説明している。 
 ▽問い合わせ-072(255)2022 

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国交省住宅局09年度概算要求 「省資源・省CO2対策」と「安全・安心の確保」促進

 国費ベースで前年度比14%増の1兆1,285億円、事業費ベースで8%増の5兆0,393億円を要求。重点的施策として掲げた高齢者が安心して暮らせるまちづくりや、住宅・建築物の省資源・省CO2対策と安全・安心の確保、住宅ストックの再生と流動化の推進―などに取り組む。
 09年度は、住宅団地の再生や賃貸住宅の整備に際して高齢者の生活を支援する施設整備を促進するための事業を創設。
 また、民間やNPO法人などが高齢者の居住安定確保のために行うモデル的な取り組みを支援する事業も創設する。
 低炭素社会の実現に向け、超長期住宅先導的モデル事業や住宅・建築物「省CO2推進モデル事業」などを推進する。
 住宅や建築物の安全・安心の確保を目的とする施策も強化する。
 これまで個別に実施してきたアスベスト改修事業と耐震改修事業を廃止。代わって「住宅・建築物安全ストック形成事業」を創設し、安全性に問題のある住宅や建築物を対象として調査・設計と改修費用を補助。建築物を除去する際のアスベスト除去費用も補助の対象に加える。
 住宅ストックの再生と流動化を推進するため、国費1,022億円を要求。分譲マンションの再生計画や長寿命計画を策定する管理組合などを対象にした「マンション等安心居住推進事業」を創設するなど、良質な分譲マンションのストック形成を促進する。

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国交省 7月の建築確認状況 申請件数、交付件数ともに反動増

 国土交通省は、7月の建築確認状況を発表した。建築確認の申請件数は前年同月と比べ57%増の5万7344件、確認済証の交付件数は55%増の5万6668件。いずれも改正建築基準法施行の反動で大幅に増加した。構造計算適合性判定(適判)の申請件数、合格件数も前月と比べ増加した。
 建築確認申請件数の内訳は、構造計算が必要な1~3号建築物が前年同月比120・7%増の1万6654件、構造計算が不要な4号建築物が40・4%増の4万0690件。確認済証の交付件数は1~3号建築物が68・1%増の1万6685件、4号建築物が50・2%増の3万9983件だった。
 適判の申請件数は2310件(前月は2202件)、合格件数は2286件(同2260件)だった。

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厚労省が地域介護・福祉空間に431億要求 国交省と連携、公的賃貸住宅を再整備

 厚生労働省は、2009年度概算要求で670億円を基礎額と位置付け、これに170億円(25%)上乗せした740億円を公共事業費として要求した。このうち地域介護・福祉空間整備等交付金として431億円を要求。国土交通省と連携して「安心住空間創出プロジェクト」を展開、公的賃貸住宅団地の再整備を進める。また、これと同時に療養病床の介護療養型老人保健施設などへの転換を進めていきたい考えだ。
 近年、全国の公的賃貸住宅団地では高齢化が急速に進んでいる。全国の公営住宅219万戸のうち、60歳以上の世帯は103万戸、URの賃貸住宅77万戸のうち65歳以上の世帯は26万戸にまで増加している。
 このため、同省は国土交通省と連携して、削減する療養病床の受け皿となる公的賃貸住宅団地の再編整備を進めるとともに、高齢者相互の交流拠点などを整備。高齢者ができる限り、住み慣れた地域や環境で安心して暮らし続けることができる住空間づくりを進める。

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