名古屋のバス運転手焼身自殺:「支援する会」が結成総会 /愛知

07年6月、名古屋市交通局野並営業所のバス運転手の男性(当時37歳)が職場でのパワーハラスメントを示唆する文書を残して焼身自殺した問題で、男性の公務災害認定を支援する会の結成総会が30日、同市熱田区の労働会館であった。会は今後、署名活動をしながら支援者を増やす。

 会は市交通局労働組合の元支部長ら7人で役員を構成。結成総会には男性の両親や市交通局職員、OBら約50人が参加した。

 男性の自殺を巡り遺族は08年7月に公務災害の認定を市に申請。遺族側は「職場での度重なる指導が強度のストレスとなり、うつ状態にあった」と主張している。地方公務員災害補償基金名古屋市支部が審査している。

 総会では遺族の代理人弁護士が自殺の経緯や背景を説明した。男性がうつ病を発症した要因として、交通局の本庁職員が添乗指導で男性に「葬式のようなしゃべり方」と指摘していたことや、男性に覚えのない接客に関する苦情について、交通局が重ねて指導したことなどを挙げた。

 07年5月にはバス車内での乗客転倒事故を巡り、交通局が男性の運転時の事故として処理したことに対し、男性が「納得できない」と同僚にメールを送っていたことが分かっている。交通局は事故・苦情を1年間に3回受けた運転手に「リフレッシュ研修」と称する再教育を行っている。遺族側は男性が研修の対象者になると考え、事故の責任を押し付けられた絶望感と相まってストレスを増大させたと主張している。

 市はパワーハラスメントを否定しているが、総会で男性の父親(69)は「息子の死を無駄にしてはいけない。真実を知りたい」と訴えた。【式守克史】

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