元次官宅襲撃 ナイフ付着の血液DNA、一部被害者と一致

11月25日13時29分配信 毎日新聞

 元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された小泉毅(たけし)容疑者(46)が所持していたナイフ(刃渡り約20センチ)に付着していた血痕と、襲撃事件の一部の被害者の血液のDNA型が簡易鑑定でほぼ一致したことが、警視庁と埼玉県警の共同捜査本部の調べで分かった。小泉容疑者が襲撃事件に関与していた疑いが一層強まった。捜査本部は、事件の背景や動機をさらに追及し全容解明を図る。

 一方、このナイフには、柄に布が巻かれ、つばがついてたことも判明した。襲撃時に血ですべらないように細工を施したとみられる。付着していた血痕をさいたま市の山口剛彦さん(66)夫婦殺害事件と東京都中野区の吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)殺人未遂事件の被害者の血液とDNA型を比較したところ、このうち一人のものと簡易鑑定でほぼ一致したという。さらに、詳しい鑑定を進めている。

 このナイフは小泉容疑者が22日夜、東京・霞が関の警視庁本部に出頭した際に乗っていたレンタカーから見つかった。後部座席の足元にあった巾(きん)着袋に入っており、刃渡り約20センチ、刃幅約3センチ、柄の長さが約13センチ。血痕が刃と柄に付着していた。

 刃と柄の間には、プラスチック製のつばが取り付けられていた。小泉容疑者が細工したとみられる。柄の部分には白っぽい布が巻かれており、刺す際の滑り止めなどの目的があったと考えられる。

 小泉容疑者が毎日新聞などに送ったとされるメールには「吉原の妻に使った凶器は山口を殺した包丁を使用した」と書き込んでおり、このナイフが凶器に使われた可能性が高いと考えられていた。

 車の中には、このナイフとサバイバルナイフ6本、折りたたみナイフ1本など計10本の刃物を持ち、運動靴は2足用意し、下着などが入ったリュックサックもあった。出頭した際の車にあった2つの段ボール箱は市販の包装紙でくるみ、宅配荷物を仮装。自宅には、ほかにも段ボール箱や宅配便の伝票があった。

【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】

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