川島17人で聖地へ!21世紀枠で出場

「第82回選抜高校野球選考委員会」(29日、大阪市)

 部員わずか18人の川島(徳島)が29日、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。21世紀枠での同県からの選出は初。本番でプレーするのは実質16人だが、四国では74年の選抜に池田高校(徳島)が11人で出場し、さわやかイレブンとして、77年の選抜では中村(高知)が12人で出場し、二十四の瞳として話題を集め、いずれも準優勝している。小さな野球部の大きな活躍に期待が集まっている。

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 授業を終え、グラウンドに集まった16人の部員を前に天羽俊夫校長が「21世紀枠での甲子園出場が決定しました。おめでとう」と報告。藤畠慶祐主将(2年)は「自分たちの野球ができるよう頑張ります」と喜びを抑え、意気込みを話した。

 休部1人に加え、控えの竹内翔太投手(2年)が数日前に自転車で転倒して足首を骨折。この日は手術を受けており、北谷雄一監督(33)は「甲子園には間に合いそうにない。ベンチ入りはしますが」と、甲子園では実質16人で戦うことになることを明かした。

 わずか18人の部員は、学校周辺のごみ拾いにも積極的に取り組んでいる。少子化や部員数の減少に悩む学校の励みとなることが評価された。藤畠主将は「18人で、練習の準備をする人数が少ない」と話すものの、「協力してやっているので気にならない。みんな仲がよく、帰りに話をしたり、遊んだりしている」と、他チームに負けないチームワークのよさを強調する。

 練習も満足に-というわけではない。同校は中高一貫校で、グラウンドは共用。他部の練習のわずかなすき間をぬって、投球マシンでフライを上げ捕球練習したりするなど工夫しており、藤畠主将は「狭い中で一体感が出る」と話した。

 北谷監督は鳴門工のコーチ、部長として計5回の甲子園を経験している。「あの雰囲気を生徒に味わってもらいたかった。その中でいつも通りのプレーを見せたらいい」。かつての池田や中村のように、四国の少人数公立校は常に台風の目となってきた。川島にも、底知れない力がある。

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